何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

あれからどのくらい時間が経ったのだろう…。
天音は、その何もない荒野に、一人ただ座りこんでいた。

「クスクス知らなかったんだ?」
「え?」

天音がその声に反応し、顔を少しだけ上げた。
その声の主は…。

「あなた…み…るか…?」
「哀れだね…。」

お世辞にも高いとは言えない彼女の背丈は、地面に座り込んでいた天音より少しだけ高い。そんなみるかの冷たい視線が、天音を見下ろしていた。

「どこ!!」

天音は思わず大声を上げ、みるかの服に掴みかかった。

こんな少女にすがりつくなんておかしい?

いや、何でもいい。
誰か教えて!!

「ねえ、みんなはどこにいったの!!」

誰か…その答えを…
もう、こんな思いは…


「さぁ…?あのインチキ占い師にでも聞いたら?」

天音を見下ろしているみるかが、不敵に笑った。


———こんな思いはもう二度としたくないと思っていたのに…。



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