何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「毎日ボーっとして抜け殻みたい。」
星羅も仕方なしに、正直に天音の様子を伝えた。
天音はあれから全くと言っていいほど、生気を感じない。ただ時が過ぎるのを待っているだけのようだった。
まるで、妃が決まるのを、ただ待っているだけのような…。
「そうか…。で、星羅は何のために妃になるんや?」
するとりんは、唐突に星羅に質問を投げかけた。
「…何で今そんな事をあなたに…。」
星羅は、眉間にシワを寄せ、不快感を露にして見せた。
どうやら、簡単にそれを答える気は毛頭無いらしい。
「…天音はその目的失ったんや…。」
りんは、どこか遠くに目線を移し、ポツリと小さくつぶやいた。
「え?」
「天音のいた村が、なくなってしもうたみたいなんや。」
りんの表情がまたひとつ曇った。
「村がなくなる?」
星羅は、さらに眉間のシワを深めた。
確かに村が潰される事があるのは知っている。
しかし、そんな事がこんな短期間で起こるなんて、あり得る事なのだろうか?
「わいもよー知らんけど、村もない、じいちゃん達もどこに行ったかわからん。」
りんは、行き場のないこの気持ちをどうしていいのか、未だわからなかった。
「…そんな事って…。」
そして、星羅はそんなありえない事態に、言葉を失うしかない。
「普通に考えたら無理やなー。でもそれをやってまうのが国や。」
いきつく矛先はやはり国…。
「国?」
星羅はその言葉に、さらに顔を歪めた。
「国は全部知っとったんや。天音が石を見つけるキーマンだって事。」
りんはその目線を城へと向けた。
「…。」
(それは、国が全て仕掛けたこと?)
「村の事は、わいはよーわからん。なんで消えてなくなったのか、それとも…。」
星羅は固唾をのんで、りんの言葉を待った。
「始めからそんな村はなかったのか。」
「え…。」
星羅の予想もしなかった言葉が、りんの口から発せられ、その時ばかりは星羅も、思わず声を漏らした。
星羅も仕方なしに、正直に天音の様子を伝えた。
天音はあれから全くと言っていいほど、生気を感じない。ただ時が過ぎるのを待っているだけのようだった。
まるで、妃が決まるのを、ただ待っているだけのような…。
「そうか…。で、星羅は何のために妃になるんや?」
するとりんは、唐突に星羅に質問を投げかけた。
「…何で今そんな事をあなたに…。」
星羅は、眉間にシワを寄せ、不快感を露にして見せた。
どうやら、簡単にそれを答える気は毛頭無いらしい。
「…天音はその目的失ったんや…。」
りんは、どこか遠くに目線を移し、ポツリと小さくつぶやいた。
「え?」
「天音のいた村が、なくなってしもうたみたいなんや。」
りんの表情がまたひとつ曇った。
「村がなくなる?」
星羅は、さらに眉間のシワを深めた。
確かに村が潰される事があるのは知っている。
しかし、そんな事がこんな短期間で起こるなんて、あり得る事なのだろうか?
「わいもよー知らんけど、村もない、じいちゃん達もどこに行ったかわからん。」
りんは、行き場のないこの気持ちをどうしていいのか、未だわからなかった。
「…そんな事って…。」
そして、星羅はそんなありえない事態に、言葉を失うしかない。
「普通に考えたら無理やなー。でもそれをやってまうのが国や。」
いきつく矛先はやはり国…。
「国?」
星羅はその言葉に、さらに顔を歪めた。
「国は全部知っとったんや。天音が石を見つけるキーマンだって事。」
りんはその目線を城へと向けた。
「…。」
(それは、国が全て仕掛けたこと?)
「村の事は、わいはよーわからん。なんで消えてなくなったのか、それとも…。」
星羅は固唾をのんで、りんの言葉を待った。
「始めからそんな村はなかったのか。」
「え…。」
星羅の予想もしなかった言葉が、りんの口から発せられ、その時ばかりは星羅も、思わず声を漏らした。