激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

 どうなってるの。
 こんなイケメンが私なんかのストーカーなわけはないし。
 それに、数日だったけれど、良い人だったとも思う。

 本当に私と会ったことがある?
 そうするとなれば、結婚式場でバイトしていた時かもしれないけど、でも。
 ちらりと彼を見る。
 ここまで整った容姿で、注目浴びそうな彼を私は忘れるわけないと思う。

「って聞いてる? 守屋」
「え、あ、はい。すいません」

 複雑な状況なので聞いていなかったなんて言えません。
「この、アロマの中に花を閉じ込めるって案。どうだろうか、できそうかなって」
「はい。それでしたら可能ですが――」
 思い出せない以上、私も仕事に戻るしかできなかった。

 仕事の依頼は、大手ステンドグラス会社『Madonna』のオリジナルアロマの作成。海外進出の祝いに、ガラス細工の美しい瓶を作るらしい。その瓶にうちでアロマを調合して作ってほしいという。輝く宝石のようなステンドグラスを用いたガラス瓶。

ガラス瓶は本当に息を飲むほど美しい。ステンドグラスの窓の形をした瓶と、難色者色を紡いでいる瓶の二つ。どちらもアロマを中に閉じ込めるような、ロマンチックなデザインで、思わずうっとりしてしまう。
記念パーティーでミニサイズのものを会員全員に渡すのと、一回り大きなボトルで販売もするらしい。
二種類も調香できるって素敵。素材の指定も高級で悪くない。しかも予算も惜しまないし、最高のクライアントだった。
< 56 / 168 >

この作品をシェア

pagetop