激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
私が色々と社長にバレてあたふたしているように見えているのかな。
確かにいい取引だ。この取引が終了しても、定期的のそこの香料を注文するからついでに欲しいのとか試したいのも注文できる。何と言っても、太くて大きな取引先だ。
仕事だけの関係になれれば本当にいい取引なのに。
それが無理なのだと分からないほど甘ったれではない。
彼に抱き着いたのは、そもそも私の方からなのだから。
上手く清算しないまま逃げた卑怯者に、彼を悪く言うことはできない。
考えても考えても分からず、気のせいか頭痛までする始末だった。
その後の仕事へのコンディションは過去最悪だったのは言うまでもない。
***
「お疲れ様です、駅まで送りますよ」
「……帰り道が同じなだけでしょ」
着替えて一階へ降りると、タイミングよく石井くんがいた。しかも恩ぎせがましい。
それとも朝の姉との立ち回りが噂になっていて、心配してくれたのかもしれない。
「彼女とか居そうなのに、私と歩いて大丈夫なの?」
「大丈夫ですよー。大学時代の彼女とは最近別れちゃいまして。社会人になるとやっぱ違いますよねー」
「ふうん」
「守屋さんこそ、俺といたら婚約者が妬いちゃうかんじですか」
「いや、そのねえ」
石井くんにバレてしまえば、彼は嘘が付けない素直な性格。きっと周囲にバレてしまう。
色々と考えれば考えるほど、彼の提案が私には本当に好条件で、都合がよすぎる。
ここまで私にしてくれる彼は本当に一体何者なんだろう。
ちゃんと向き合わないといけない。