激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
絶対、そんなせこいこと思っても居ないくせに。いちいち焦るはずがない。
戸惑う私を見て、彼は苦笑する。
「あ――、そう。頑なだだったな」
動かない私に、彼は指一本触れずに心に触れてくる。
「順番がおかしくなって悪かった。話がしたい」
嘘じゃないと、真っすぐに私を見る。
「いや、話がしたい。だから、乗ってください?」
自分の言葉が強いと自覚があるのか、優しい言葉を探す。
そんな様子にほだされた私は、きっと簡単に乗ってしまう女なのだ。
「お腹空いたんです」
開けてもらった助手席に乗り込みながら、彼を見上げる。
「肉なら美味しいとこ沢山知ってるけど、――口説くにはどこも雰囲気が悪いな」
「口説かなくていいし、私も大食いなので」
精一杯可愛くない言葉を探す。
「じゃあすぐ行こう」
我儘に嫌な顔一つしない。それどころか、どこか少し嬉しそうだった。
彼が仕事ではないと言ったけれど、私は仕事の延長だと思っている。
そう思っている。
「良いにおいがするな」