白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
家に帰ると、琥白さんが玄関に立っていて、驚きのあまりひっくり返りそうになった。
「会社まで迎えに行ったのに、先に帰ってたろ」
「また迎えに来てたんですか? そんなのいらないですって!」
そう返すと、琥白さんの眉が不機嫌そうに動く。
(っていうかこれ、私が悪い案件?)
琥白さん、私を小学生か何かだと思っているのだろうか。私に甘いのは確かだし、最近は過保護まで加速している。
「いらないって言うなよ。俺が心配だからそうしたいんだ。ふたばに何かあったらどうしていいかわからない」
そうはっきり言われると返す言葉がなくなって、私は黙り込む。
琥白さんはそんな私の手を取り、リビングに連れて行った。