白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
「お兄さんがいらっしゃるんですね。だからか」
「え?」
「僕にも妹がいるんですよ。一緒には住んでいませんが、たぶん天橋さんと同い年くらい。僕が34で、妹が28です」
「年齢までうちと一緒ですね」
私が驚いていうと、工藤さんは微笑んだ。
「そうなんですか、それは偶然ですね。お兄さんには、よく会われているんですか?」
そう言われて、思わず言葉に詰まった。
兄に似た雰囲気に、親戚ではないと言いきれないから余計だ。
「いえ、今は少し遠くにいまして……」
「遠くって?」
「えーっと……海外なんです」
そう言って工藤さんの様子を見ると、工藤さんは心底感心したように、
「海外でお仕事されているなんて、優秀なお兄さんなんでしょう」と笑う。
「……まぁ」
(親戚ならこんな反応はしないか……)
私がほっとして息を吐くと、工藤さんは立ち上がり微笑む。
「今日はそろそろ行きましょう。またお見かけしたら声をかけていいですか? 相談にもいつでものりますよ。実は僕も今、妹は遠くにいまして、なかなか会える機会もないんです。だから、天橋さんを見てると妹を思い出す」
「そう、なんですか」
私が言うと、工藤さんは頷いた。
その笑顔に、私も思わず頷いてしまった。