白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
そして息を吸うと口を開いた。
「2年前は、昌宗のお葬式でふたばさんをお見かけしました。その時から琥白はふたばさんのこと、気になってたみたいです」
「……」
私が思わず黙り込むと、工藤さんは目を細める。
「僕はね、ちょっとお節介だと思ったんですけど、琥白があれだけ人を心配するのって、なんだか人間らしくておもしろいなと思って。あいつ、なんでもできるけど、本当にサイボーグって感じで、基本的にプライベートの会話は皆無だし、友だちいないし……。あいつに付き合えるのなんて、僕と昌宗くらいじゃないかな。あと、普段ほとんど目が笑ってないんですよ、目が……。わかります?」
「……ちょっとわかります。今は違うけど……前はそんな感じだったし」
「ですよね」
工藤さんはそう言って微笑む。
やっぱりこの人、人を警戒させない空気と言うかオーラみたいなものを持っていると思う。