白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
兄の本当の気持ちは誰にもわからない。でも、天橋不動産から、地位や名誉から、手のかかる妹の前からいなくなった兄の胸の内を思うと苦しくなる。
ぼろぼろ泣き続ける私の頭を、琥白さんは突然、パシンと叩いた。
「い、いったぁっ!」
「お前は、バカか!」
琥白さんが怒った顔で私を見る。
「ふぇ……?」
「それ全然違うって! 昌宗、ふたばの付き合う相手に言うこと考えてたし、結婚式出る気満々だったぞ! こんな小舅ついていれば相手がいなくなるって全力で止めるくらいだったんだからな!」
初めて聞いた言葉に涙が止まった私を見ると、琥白さんはクシャと自分の髪を掻いて、私の両手を握った。
「すまない。これをちゃんと話すべきだったな。それでも、昌宗が生きてるってふたばが思っているうちは話せなかった……」
琥白さんはそう言うと、意を決したように話し始めた。