白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
私は思わず琥白さんを睨むと、
「なぜ私に言わず叔父に?」
「そうでもしないと、なにかと理由をつけて断られると思ったからです」
「パリでもおっしゃらなかったですよね」
「あちらで聞いていたら日本に戻っていました?」
「それは……」
言い当てられて、私は閉口する。
それでも、こんな手を使ってきた琥白さんも許せなかった。
「同棲って……パリでも言いましたが、婚前交渉はいたしませんよ」
「もちろんですよ。私がそんな野暮な男だと思いますか」
「同棲なんて大事なことを、私を通さずに、直接叔父にだけ言ったような男性ですから、念には念をと思っただけです」
嫌味らしい言葉を選んで言っても、琥白さんは顔色一つ変えない。
それが余計に憎らしかった。