白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 そんなことを思いながら着替えて部屋を出ると、琥白さんの秘書である神尾さんが立っていて驚いた。

「今日はお急ぎではないのなら、ここで朝食をとられてから向かいましょう」
「……申し訳ないので、送迎なんていらないです」

「そうすると私が怒られてしまいますので、本当に『申し訳ない』と思われるのなら、お送りさせていただけませんか?」

「……」

 断りにくい状況と言葉に、私が小さく頷くと、神尾さんはほっとした表情を浮かべた。
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