白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
「もしかして怖気づきましたか?」
なかなか動きのない私に痺れを切らしたように、琥白さんが目を瞑ったままそんなことを言う。
「いいえ。好きな方とのキスですから……多少なりとも緊張しているんです」
「そうでしたか。気づかずにすみません」
「じゃ、いきますよ」
(なんだ、いきますよって……)
と、自分で言ったことに思わず突っ込みそうになった。
そして意を決すると、私はゆっくりと唇を近づけ、琥白さんの唇に自分のそれを合わせた。