一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
今は秋も終わりの頃で葉が色付いているのが見えるくらいだが、もう少し季節が進めば雪に包まれた庭が楽しめそうだ。
漆塗りの机は部屋の内装を映し出すほどとろりと黒色に輝いており、うかつに触れれば指紋が付いてしまうのではと不安になる。
「夜まで観光するんだろ。どこに行くか決めてる?」
智秋さんが深冬に話しかけるも、彼は嫌な顔をしていた。
「言いたくない」
「別に知ってもついていかないよ。俺も仕事があるからな」
「……清水寺は見に行く予定だ」
険悪な関係には見えないのに、彼はどうも兄が苦手なようだ。智秋さんのおかげで今まで知らなかった深冬に出会えて楽しい。
漆塗りの机は部屋の内装を映し出すほどとろりと黒色に輝いており、うかつに触れれば指紋が付いてしまうのではと不安になる。
「夜まで観光するんだろ。どこに行くか決めてる?」
智秋さんが深冬に話しかけるも、彼は嫌な顔をしていた。
「言いたくない」
「別に知ってもついていかないよ。俺も仕事があるからな」
「……清水寺は見に行く予定だ」
険悪な関係には見えないのに、彼はどうも兄が苦手なようだ。智秋さんのおかげで今まで知らなかった深冬に出会えて楽しい。