一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 気持ちには応えられないと何度伝えたところで、深冬は私を求めるのをやめないだろう。

 いつこのぬくもりを失うのか考えるだけで恐ろしいが、いつまでも怯えてばかりいたくないという思いもあった。

 彼が言っていたように今だけでも溺れてしまえば少しは幸せになれるのだろうか?

「ん、んん」

 唇を割り開いて潜り込んだ舌の感触に声を上げ、深冬の胸を軽く叩く。

「夜になっちゃうから……っ」

「まだ昼を過ぎたばかりなのに? そんなに長い間、俺とキスをするつもりだったのか」

「そ、そういうわけじゃなくて……!」

「ひどい妻だな。キスまでしか許さないなんて」

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