一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「VIP専用の屋内プール、ちょっと僕には温度が低いよ。もっと温めてほしい。あ、いっそ温泉ぐらいにしてくれてもいいな。温泉で泳ぐのが夢だったんだ」

「きみ、フランス語は話せる? 今日一日フランス語だけで僕と話そう。練習相手が欲しくてね。僕の発音、おかしくないかな?」

 事態を重く見た城木さんは早い段階で私を皐月さん専属のコンシェルジュとして扱い、例外的にコンシェルジュデスクを離れてもいいようシフトを組み替えてくれた。

 まさかこんなに気に入られるなんて私も思わなかったが、現場で働くスタッフたち以上にこの状況を厳しい目で見ている人がいた。

 私の夫、深冬である。

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