一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「お前が一日中、俺以外の男の側にいると考えるだけで気が狂いそうになる」

 見計らったかのように休憩時間に現れた彼は、私をリネン室に連れ込んで不快感を訴えた。

「どうして皐月恭介に気に入られるような接客をしたんだ。あいつに気に入られるコンシェルジュは存在しないと言われているのを知らないのか?」

「やっぱりほかのホテルでもそういう意味で有名人だったんだ……。なんとなくそんな気はしてたけど、さすがだね」

 気に入られたのは私というより、常に臨戦態勢で要望に応えるスタッフたちの方だ。私はたまたま仲介役としてやり取りをしているに過ぎない。

「感心している場合か。今からでも嫌われろ」

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