一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
『そんなに言うなら、昔よりはマシになったのね。この子ったらいつまでも家に顔を見せないで。そのうち橘さんも一緒に遊びに来てくださいな。お父さんもきっと会いたがるでしょうし』

「はい、ぜひ。また落ち着いた頃に伺わせてください」

 そう言うと深冬は私の手にスマホを戻した。

「もしもし、お母さん。そういうことだからまたそのうちね」

『いい人に見つけてもらったんだから、くれぐれもがっかりさせないようにね』

 通話を終えてスマホの電源を切ると、深冬が私を抱き締めて息を吐いた。

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