一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「思っていたタイプとは違うな。てっきりもっと……悪意のある言い方をされてきたのかと。純粋に自分の娘をだめだと思って話しているだけなんだな」

「そうだよ。実際、そんなに出来のいい娘じゃないしね」

「と、思うように育つのも仕方がない。ネガティブな考え方に縛られるようになるのも。三十年ずっとあれを聞いてきたんだろう?」

 ほかの家庭がどうなのかを知らないから、こういうものなのかと思っていた。

 深冬はいまいち納得しきれない私の肩を掴み、顔を覗き込みながら言う。

「両親から言われたことは全部忘れてしまえ。お前が信じるのは俺の言葉だけでいい」

「かわいいとか、素敵とかそういうの?」

< 243 / 261 >

この作品をシェア

pagetop