一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 彼の欲を示すように熱い口づけに翻弄され、自分でも意図せず恍惚とした吐息がこぼれる。

 私が絡みつく舌先を甘いと感じているように、彼もまた私とのキスに反応しているのがわかった。

 これまでにされたものをキスと呼ぶのはおこがましいほど、今の深冬はむさぼるように私を求める。

 あまりにも激しく繰り返されるものだから、息をする隙を見失って彼の肩口を手で掴んだ。

「そんなにしたら……苦し……」

「これでも我慢している方なんだが」

「息ができなくなっちゃうよ」

「だったらしなければいい……というわけにはいかないか」

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