一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 御曹司の彼にしてはあまりにも品のない行為だったが、獲物を捕食するような野性的なふるまいは私の胸を信じられないほどときめかせた。

 こんなことならいっそ脱がせるだけで成立する寝間着に着替えておくべきだったか。

 深冬はボタンを三つ外すと、露わになった私の肌を舌で愛で始めた。

「あ……待っ……んんっ……」

 鎖骨から胸にかけて、やわらかな感触がすべり降りていく。

 ときどきちゅっと水を弾くような音が聞こえ、彼が丁寧に私の身体へと熱を移していくのを強く意識させた。

「みふ、ゆ……手……離して……」

「だめだ。口を塞ぎたいんだろうが、俺はお前の声を聞きたい」

「あっ……」

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