一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 どうして彼は私の心の内を見抜いているのだろう。ほかの誰にも聞かせたことがない甲高い嬌声を、彼にも聞かれたくないというのに。

「恥ずかしい……から……お願い……」

「この程度で恥ずかしがるな。まだなにもしていないのと変わらないだろう」

 それはない。それだけは絶対にない。

 私がなにもされていないというなら、こんなに身体が熱く疼いているのはおかしいではないか。

「もっと恥ずかしいことをしてやれば声を聞かせてくれるか?」

「や……っ」

 ようやく繋がっていた手が解けたのもつかの間、深冬は中途半端に残っていたボタンをすべて外した。そして緩いサイズのルームパンツも脱がしてしまう。

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