一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 さらに彼の手は止まることなく私の背へ周り、下着のホックを解いた。

 ふっと胸もとに解放感が訪れたはいいものの、見上げた深冬はますます激しい欲を瞳に映している。

 隠れていた場所に触れられた瞬間、びくんと全身が跳ねて嬌声が漏れた。

 深冬は私の耳に顔を寄せると、耳朶を食みながらささやく。

「なにも考えられなくなるまで、ゆっくり時間をかけて愛してやる」

 下腹部を締め付けるように衝動が込み上げて、思わず息を呑んでいた。

 ずいぶん長い間この夜を待ち望んでいたから、てっきり荒々しく求め合うことになるのだと思っていた。

 だが、彼は可能な限り長く私を愛し尽くすつもりのようだ。

< 250 / 261 >

この作品をシェア

pagetop