片恋
いつもならその後に、放送部員おすすめの曲が一曲だけ流される。

だけど、スピーカーから聞こえてくるのは、誰かと誰かのヒソヒソ声と、ゴソゴソと裏で何かをしているような音。


『今井先生、そんな……、……えっ、嘘!? あっ、電源ボタン──』


その言葉を最後に、放送がブツッと音を立てて切れた。


「なんだ? 今の」


目の前の延藤くんが、怪訝そうな表情で、教室の天井のスピーカーを見る。


「う、うん、初めてだね、今みたいのって……」


というか、聞き間違いじゃなかったら、「今井先生」って言っていたような……。
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