片恋
「えっ……、なに? 蕪木さんって、コウと付き合ってたよね?」

「彼氏の前でさぁ……、ねえ」


私たちを見て瞬時に交わされる噂話に、延藤くんが大きなため息をついて、べリッと剥がすように、私たちの間に割って入った。


「はいはい、おふたりさん。みんなに説明しとかないと、ポカーンてなるから」


いつも延藤くんのそばにいる女子たちが、すかさず詰め寄る。


「ちょっとコウ、どういうこと?」

「あんた、蕪木さんと付き合ってるんでしょ?」


延藤くんは、私の顔をチラッと見た。


「……んーん。真桜ちゃんは、俺の彼女じゃないよ。付き合ってるフリしてただけ」
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