片恋
そっと大きな手に握られて、視線を重ねた。


「あれは、ただのラブレター。だから、真桜以外は聴かなくていいんだ」


目を見開いて目の前を見ると、広くなった視界の中心には、伊月くんがいた。


「真桜が聴きたくなったら、いつでも歌うよ」


顔が熱い。


なんかやっぱり、伊月くんってズルい。

私はうつむき加減に、手を握り返した。
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