エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
そんな嗜虐的な表情にも、背筋がゾクゾクと戦慄する。
肌がゾワッと粟立ち、お腹の奥の方がきゅんと締めつけられる。


「う、あ……」


生理的に滲んだ涙で、視界が霞む。
それでも必死に彼に目の焦点を合わせ、意識を繋ぎ止めようとした。
だけど。


「あ、ふっ」


彼の影が色濃く落ちてきて、噛みつくようなキスをされた。
強引に割って入ってきた、まるで生き物のように動く舌に搦め捕られ、翻弄される。
ひとしきり艶かしく絡め合った後、


「ふぁ……」


離れていく唇が恋しくて、虚ろな目で追った。
繋がったままの唾液の糸を切るように、純平さんが自分の唇をペロッと舐める。


「あ……」


堪らなく妖艶な仕草に、私の身体は戦慄く。
彼は、組み敷いた私を上から見下ろし、


「……ふっ」


好戦的に目元を歪め、甘い吐息を漏らした。


「いい顔するな。お前」


わざわざ私の耳をくすぐりながら、低い声で囁く。


「ゴロゴロ喉を鳴らして、『もっともっと』と甘える猫みたいだ」

「ふ、うん……」


返そうとしたのは、『猫じゃない』という抗議だったか。
それとも、従順に『もっともっと』と喉を鳴らそうとしたのか。
――もう、どっちでもいい。


「従順で可愛いな、歩。……最高に気分がいい」


彼のその言葉で、すべて吹っ飛んだ。
身体の外も中も、ジンジン痺れる。
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