エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「彼は、私のお兄さんじゃないの……!」


全身に力を込め、一気に吐き出した。


「は?」


桃子が私に顔を向けて、パチパチと瞬きをする。


「ごめんね。詳しいことは話せないんだけど、純平さんとは、東京に来てから出会って。わ……私の、好きな人なのっ」


私は勢いに任せて口走り、言い切った途端、肩を落とした。


「嘘、ついた。ごめんなさい……」


桃子は最後まで口を挟まず、聞いてくれていたけれど。


「ふーん。やっぱりか」


目を細めて、悪戯っぽく笑った。


「え……?」


彼女の反応からは真意が読めず、探るように見つめてしまう。


「兄妹っていうのは、嘘だろうなって思ってたよ。だって、全然似てないし」


腕組みをしてしれっと指摘されて、私は「うっ」と口ごもった。
確かに、私と純平さんが兄妹なんて、突然変異と言い訳しても苦しい。


「なにか、本当の関係を隠さなきゃいけない理由があるんでしょ?」


続く質問には、神妙に頷いた。
そして。


「あの……やっぱり、って?」


恐る恐る訊ねてみると、


「歩、彼のこと、私に教えたくなさそうだったし」


ほんのちょっと棘がこもった、じっとりした視線を送られ、額に変な汗が滲む。
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