エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
そう言いながらタブレットを操作して、今度は東京駅の画像を展開させた。
「でも彼女は、そこに作倉が佇む姿を、正面から見ていた」
「……!」
「その時も、一心にスマホを弄っていたそうです。瀬名さんの動画の時とまったく同じ心理状況、行動……」
そこで一度言葉を切り、まっすぐ目線を合わせてきて、
「現場に連れていったら、事細かに思い出して証言してくれました。東京駅でも、作倉はこの柱に手を突いていたそうです。……デパートの時と同じく、顔の高さ、さらに頭上高い位置にも」
どこか芝居がかって声を低める彼に、俺はごくりと喉を鳴らした。
朝峰は、俺の反応に満足そうにタブレットを持ち上げ、
「菅野さんと別れた後、両方の柱から指紋を採取しました。デパートの方は屋外で、かなり不鮮明でしたが、予想通り何箇所にもベタベタ残っていたため、科捜研で、過去の取引現場で採取してあったものと、どうにか照合できました。九十九パーセント、同一人物の指紋である。作倉をしょっ引く根拠にはなる」
誇らしげに言い放った。
「……そうか。よくやった」
彼の捜査眼に敬意を表しつつ……。
「別れた後……。だからか」
俺は顎を撫でながら、地味に納得して呟いた。
「でも彼女は、そこに作倉が佇む姿を、正面から見ていた」
「……!」
「その時も、一心にスマホを弄っていたそうです。瀬名さんの動画の時とまったく同じ心理状況、行動……」
そこで一度言葉を切り、まっすぐ目線を合わせてきて、
「現場に連れていったら、事細かに思い出して証言してくれました。東京駅でも、作倉はこの柱に手を突いていたそうです。……デパートの時と同じく、顔の高さ、さらに頭上高い位置にも」
どこか芝居がかって声を低める彼に、俺はごくりと喉を鳴らした。
朝峰は、俺の反応に満足そうにタブレットを持ち上げ、
「菅野さんと別れた後、両方の柱から指紋を採取しました。デパートの方は屋外で、かなり不鮮明でしたが、予想通り何箇所にもベタベタ残っていたため、科捜研で、過去の取引現場で採取してあったものと、どうにか照合できました。九十九パーセント、同一人物の指紋である。作倉をしょっ引く根拠にはなる」
誇らしげに言い放った。
「……そうか。よくやった」
彼の捜査眼に敬意を表しつつ……。
「別れた後……。だからか」
俺は顎を撫でながら、地味に納得して呟いた。