エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
言ってる途中でくるっと背を向けてしまった彼に、ツッコみを入れてみる。
グッと口ごもった気配を感じ、彼の前にそっと回り込んだ。
そして。
「鮎?」
私は、彼の腕にいる子猫の眉間を指先で撫でながら、探るように呼びかけてみた。
子猫はゴロゴロと喉を鳴らすだけで、鳴き声を聞かせてくれない。
「……歩?」
今度は、「みゃあ」と反応してくれた。
私は回答を求めて、目線を上げる。
「…………」
純平さんが、黙ったまま、大きな手で顔を覆い隠すのを見て……。
「やっぱり、〝歩〟なんですよね!?」
子猫が律儀に「にゃあ」と鳴くのを聞きながら、彼の腕に手をかけて言い募った。
「……違う」
なのに純平さんは、この期に及んで、まだ悪足掻きをする。
「違うって」
「違う。本当に。……俺が口にするのを聞いて、そいつが勝手に自分の名前だと思い込んでるだけだ」
「え。それって……」
――子猫が自分の名前だと思い込むくらい、私の名前を呼んでくれていたってこと?
私は、そばにいなかったのに。
……いや、そばにいないから、こそ?
「っ!」
頬がカアッと熱くなり、身体がのぼせる感覚に陥る。
その方が、ずっとずっと嬉しい……!
グッと口ごもった気配を感じ、彼の前にそっと回り込んだ。
そして。
「鮎?」
私は、彼の腕にいる子猫の眉間を指先で撫でながら、探るように呼びかけてみた。
子猫はゴロゴロと喉を鳴らすだけで、鳴き声を聞かせてくれない。
「……歩?」
今度は、「みゃあ」と反応してくれた。
私は回答を求めて、目線を上げる。
「…………」
純平さんが、黙ったまま、大きな手で顔を覆い隠すのを見て……。
「やっぱり、〝歩〟なんですよね!?」
子猫が律儀に「にゃあ」と鳴くのを聞きながら、彼の腕に手をかけて言い募った。
「……違う」
なのに純平さんは、この期に及んで、まだ悪足掻きをする。
「違うって」
「違う。本当に。……俺が口にするのを聞いて、そいつが勝手に自分の名前だと思い込んでるだけだ」
「え。それって……」
――子猫が自分の名前だと思い込むくらい、私の名前を呼んでくれていたってこと?
私は、そばにいなかったのに。
……いや、そばにいないから、こそ?
「っ!」
頬がカアッと熱くなり、身体がのぼせる感覚に陥る。
その方が、ずっとずっと嬉しい……!