エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「これからは、普通に呼べますよね?」


純平さんが、意表を突かれたように口を噤む。
だけど、すぐにニヤリと口角を上げ、


「だったら、四六時中俺を夢中にさせるんだな」


開き直って、やけに不敵に挑発してくる。


「!?」


私が思わず返事に窮すのを見て、ふんと鼻で笑った。


「まあ、無理はするな。仕事中までお前のことを考えるようになったら、俺も困る」


今の言い方……。
自分に都合よく解釈してみると、今も〝仕事中〟以外は、私のことを考えているって、そう聞こえるんですけど!?


でも、私のことを『好き』と言ってくれた後なら、少しくらい自惚れてもいい気がする。
嬉しすぎて、顔がにやける。
純平さんは、締まりがなくなっていく私の顔を、気味悪そうに見ていたけれど。


「もういいだろ。歩、抱かせろ」


どこまでも俺様な言い様にも、私の足元の子猫が反応して、「にゃあ」と鳴く。


「……お前じゃない」


苦い顔をして、子猫にも容赦なくツッコむ彼も、とてつもなく愛おしい。
今、私が、純平さんにどれほど求められているか。
幸せで嬉しくて、抗えるわけがない。


「純平さん。愛でてください……」


私は爪先立ちになって、彼の首に両腕を回した。
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