エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「もう安全などと高を括ったせいで、誘拐未遂なんて怖い目に遭わせてしまった。あの男が、そこまでのクズと見抜けなかった俺のミスだ。すまない」


純平さんはキビキビと言って、頭を下げる。


「い、いえ。純平さんのせいなんかじゃ……」


とっさに、そう返しはしたものの……。
私の個人情報は、あの三人だけじゃなく、売買組織に漏洩された。
ということは、私は昨夜みたいな危険な目に、また遭うかもしれない――?
思わず、喉をひゅっと鳴らして息をのむと。


「そうならないように、お前の保護を継続する必要があると考えている」


純平さんが、私の思考を先回りして告げた。
私は、条件反射で、何度も首を縦に振って同意を示し、


「おっ……お願いしますっ……」


膝に額がつく勢いで、頭を下げた。


「話が早くて助かる。今夜から、俺の家に戻ってこい」

「はいっ」


一も二もなく即答して、ゆっくり顔を上げると、こちらをジッと見つめていた彼と、真正面から視線がぶつかった。
彼の黒い瞳が、思いのほか厳しくて、


「あの……?」


怯みながら、探るように問いかける。


「躊躇なく即答して、いいのか?」

「っ、え?」

「……〝偽装結婚〟。今度はいつまで続くかわからない」


低い声で鋭く諭され、心臓がドクッと沸き立った。
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