エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「作倉の時のように、下っ端ひとりの身柄を拘束して終わりじゃない。売買組織を検挙するまで、お前の身の安全を保障できない」


純平さんが、その強烈な目力で私を捕らえたまま、薄い唇を動かす。


「っ……」


私は身が引き締まる思いで、無自覚のうちにゴクッと唾をのんだ。


「いや。ミッドナイト本体を完全壊滅するまで、と言っていい」


ミッドナイト——。
最初に、聞いた。
純平さんたちが、インターポールと連携して捜査を進めている、東南アジア諸国に多くの拠点を持つ、国際麻薬密売組織だ。


前回の比じゃない。
私が直面している現実は、想像を遥かに上回るスケールなのだ。


「すっ、すみません! 私だけじゃなく、純平さんにも負担が大きいですよね」


『保護を継続する』と言ってもらえたからって、『お願いします』なんて即答してしまったことに、今さら恐縮した。


「そうだな。何年かかるか。俺もいずれ出向を終えて警察庁に戻るし、下手したら、俺が生きているうちに解決できるかもわからない」


肯定されて、私は肩も首も縮める。


「あの、私、前回以上に偽装花嫁を頑張りま……」

「だから」


純平さんは、早口で捲し立てる私の顎を、くいっと指先で持ち上げながら遮った。
強引に目線を合わせられ、ドキッとする私に……。
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