エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
***


翌、日曜日。
昨夜逮捕した三人に対し、歩の誘拐未遂、そして逃走の際、故意に俺の車にぶつかり、破損させた器物損壊罪、道交法違反、さらには公務執行妨害という多重容疑で、取調べを開始した。
そちらはそれぞれ部下に任せ、俺は応接室で、作倉の担当検察官との面談に臨んだ。


「なるほど。個人情報保護法違反の容疑でも、追起訴が必要ですね。それから、取調室での発言については、当該女性への脅迫罪も問える」

「ええ。よろしくお願いします」


俺はそう言って、軽く頭を下げた。
ほんの十五分で面談を終え、検察官と並んで応接室を出る。
エレベーターホールまで見送り、検察官を乗せた箱が閉まると同時に、軽く肩を解しながら声に出して息を吐いた。


オフィスに戻るために、廊下を引き返そうとする。
そこにちょうど、別のエレベーターのドアが開き、


「あ、瀬名さん。お疲れ様です」

「ん? ああ」


足を止めて振り返った先には、朝峰がいた。


「俺の車の検分は済んだか?」


彼が隣に並ぶのを待って再び歩き出し、報告を求める。


「ええ。そのまま、修理に出しておきました」


朝峰はそう言って、なにやら不敵に口角を上げる。


「相手が軽自動車だったおかげで、大破とまではいきませんでしたが。さすがにああまでひしゃげると、ベンツも可哀想ですね」
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