エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「なにが言いたい」
「せめて、覆面使えばよかったのに。修理代、相当かかりますよ。もったいない」
彼がなにを言わんとしているか、もちろんわかっている。
昨夜、彼や新海に止められても、俺が自ら歩を助けに向かったことへの皮肉。
彼らが口にしたのは、正論だ。
〝公私混同〟〝職務放棄〟……。
俺自身の手で歩を救うために持ち場を離れる以上、自分の車を使うしかなかった。
「金の問題じゃないだろ」
俺は、ふんと鼻を鳴らして一蹴する。
朝峰が、『やれやれ』というように、ひょいと肩を動かした。
「……俺、子供の頃からよく知ってるつもりでしたが、あんな瀬名さんは初めて見ました」
しげしげと話し出すのを耳にして、俺は無言で目線だけ彼に向ける。
「瀬名さんは、警察官僚になるために生まれてきた男だと、誰もが認める。だからこそ、瀬名一族と呼ばれることを、疎んじている。これまでずっと、自分のキャリアにしか興味がなかった人が。たかが女を盾にされたくらいで、あんなに荒れるとは意外でした」
「……たかが、か。確かにそうだな」
揶揄されているとわかっているから、俺は口元を皮肉に歪め、そう返した。
朝峰の言う通りだ。
これまで築き上げたキャリアをどうでもいいだなんて、よくもまあ言ったもんだと、自分でも思う。
「せめて、覆面使えばよかったのに。修理代、相当かかりますよ。もったいない」
彼がなにを言わんとしているか、もちろんわかっている。
昨夜、彼や新海に止められても、俺が自ら歩を助けに向かったことへの皮肉。
彼らが口にしたのは、正論だ。
〝公私混同〟〝職務放棄〟……。
俺自身の手で歩を救うために持ち場を離れる以上、自分の車を使うしかなかった。
「金の問題じゃないだろ」
俺は、ふんと鼻を鳴らして一蹴する。
朝峰が、『やれやれ』というように、ひょいと肩を動かした。
「……俺、子供の頃からよく知ってるつもりでしたが、あんな瀬名さんは初めて見ました」
しげしげと話し出すのを耳にして、俺は無言で目線だけ彼に向ける。
「瀬名さんは、警察官僚になるために生まれてきた男だと、誰もが認める。だからこそ、瀬名一族と呼ばれることを、疎んじている。これまでずっと、自分のキャリアにしか興味がなかった人が。たかが女を盾にされたくらいで、あんなに荒れるとは意外でした」
「……たかが、か。確かにそうだな」
揶揄されているとわかっているから、俺は口元を皮肉に歪め、そう返した。
朝峰の言う通りだ。
これまで築き上げたキャリアをどうでもいいだなんて、よくもまあ言ったもんだと、自分でも思う。