エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
お礼は、またしても猫に阻まれてしまった。
「な、なに? なんかよく鳴くねえ。あ、もしかして、抱っこ嫌いとか……」
「ううん、そんなことない」
私が慌てて誤魔化すと、桃子は「そう?」と首を傾げる。
「ほら、桃子も奥にどうぞ。今日の料理は、どれも自信作なの」
私が気を取り直し、話題を変えようとすると、純平さんと先を歩く朝峰さんが、足を止めて「おっ!」と振り返った。
「歩ちゃん、料理上手なんだってね。楽しみだなあ」
なにやらわざとらしく、声を弾ませる。
「えっ!? い、いえ、そんな大したもんじゃ……」
私は反射的に謙遜して返したものの、純平さんの肩がピクッと動くのが視界の端に映って、笑顔がぎこちなくなってしまう。
案の定——。
「貴様……人の嫁を、軽々しく名前で呼ぶんじゃねえ」
純平さんは、ゾゾゾッと黒いオーラを立ち込め、やけにゆっくり朝峰さんに顔を向けた。
こめかみの青筋が、わかりやすい。
「でも、おふたり揃ってるのに、〝瀬名さん〟って新姓で呼ぶのも……。〝奥様〟もちょっと堅苦しいですし」
「お前、今まで〝菅野さん〟って呼んでたじゃないか。それでいいだろ」
「な、なに? なんかよく鳴くねえ。あ、もしかして、抱っこ嫌いとか……」
「ううん、そんなことない」
私が慌てて誤魔化すと、桃子は「そう?」と首を傾げる。
「ほら、桃子も奥にどうぞ。今日の料理は、どれも自信作なの」
私が気を取り直し、話題を変えようとすると、純平さんと先を歩く朝峰さんが、足を止めて「おっ!」と振り返った。
「歩ちゃん、料理上手なんだってね。楽しみだなあ」
なにやらわざとらしく、声を弾ませる。
「えっ!? い、いえ、そんな大したもんじゃ……」
私は反射的に謙遜して返したものの、純平さんの肩がピクッと動くのが視界の端に映って、笑顔がぎこちなくなってしまう。
案の定——。
「貴様……人の嫁を、軽々しく名前で呼ぶんじゃねえ」
純平さんは、ゾゾゾッと黒いオーラを立ち込め、やけにゆっくり朝峰さんに顔を向けた。
こめかみの青筋が、わかりやすい。
「でも、おふたり揃ってるのに、〝瀬名さん〟って新姓で呼ぶのも……。〝奥様〟もちょっと堅苦しいですし」
「お前、今まで〝菅野さん〟って呼んでたじゃないか。それでいいだろ」