エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
私がシャワーを浴びている間に、瀬名さん……純平さんは仕事に行ってしまったようだ。
私は濡れた髪をタオルで拭いながらリビングに入り、壁時計を見上げた。
午前七時をちょっと過ぎたところ。
随分と早い出勤だ。
官僚って、昼夜の境なしの長時間労働が、慣例化していると聞く。
夜中になっても庁舎の電気は煌々と点っていて、官庁街である霞が関は、〝不夜城〟と揶揄されるそうだ。
大変なお仕事だな、としみじみした後、昨夜、彼が仕事の途中で私のところに来てくれたことを思い出す。
「……純平さんが帰ってきたら、改めてお礼しないと」
最初に助けてもらったお礼と、二回分。
私はまだ疼くように痛む下腹部を手で摩り、どんなお礼がいいか思考を巡らせながら、キッチンに入った。
熱いシャワーのおかげで、気分はすっきりしたけど、食欲はない。
喉の渇きだけ潤したくて、ウォーターサーバーのお水をいただいた。
――冷水が、喉に沁みる。
昨夜、喉を嗄らすほど、声をあげてしまったせいだ。
自分のものとは思いたくないくらい恥ずかしい声は、鼓膜にしっかりと刻み込まれている。
『昨夜も思ったが、お前感度いいな』
さっきあんなことを言われたせいで、羞恥心しかない。
私は濡れた髪をタオルで拭いながらリビングに入り、壁時計を見上げた。
午前七時をちょっと過ぎたところ。
随分と早い出勤だ。
官僚って、昼夜の境なしの長時間労働が、慣例化していると聞く。
夜中になっても庁舎の電気は煌々と点っていて、官庁街である霞が関は、〝不夜城〟と揶揄されるそうだ。
大変なお仕事だな、としみじみした後、昨夜、彼が仕事の途中で私のところに来てくれたことを思い出す。
「……純平さんが帰ってきたら、改めてお礼しないと」
最初に助けてもらったお礼と、二回分。
私はまだ疼くように痛む下腹部を手で摩り、どんなお礼がいいか思考を巡らせながら、キッチンに入った。
熱いシャワーのおかげで、気分はすっきりしたけど、食欲はない。
喉の渇きだけ潤したくて、ウォーターサーバーのお水をいただいた。
――冷水が、喉に沁みる。
昨夜、喉を嗄らすほど、声をあげてしまったせいだ。
自分のものとは思いたくないくらい恥ずかしい声は、鼓膜にしっかりと刻み込まれている。
『昨夜も思ったが、お前感度いいな』
さっきあんなことを言われたせいで、羞恥心しかない。