エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
――純平さんって、こういう服が好みなのかな。
純平さん本人は、大人っぽくてセクシーな女性を連れ歩くイメージだし、絶対絵になる。
見ている方まで、匂い立つ色気に当てられてしまいそうな――。


「っ!」


自分の思考に導かれて、私はカッと頬を赤らめてしまった。
そう……多分純平さんが本当に好むのは、セクシーで色っぽい方だろう。
だって、下着を買うために、彼が堂々と入って行ったのは、海外セレブ御用達の、際どいデザインで有名なランジェリーブランドの日本一号店だった。


『俺の妻なら、下着にも常に気を配っておけ。お前でも自然と艶が出て、抱いてやろうって気になる』


男性と一緒に下着を選ぶという、衝撃の初体験に目を白黒させる私に、彼が真顔で勧めるもの全部にギョッとした。
総レースとか、紐みたいなのとか……どれも布の面積が狭く下着の意味を成さない、普段使い不可能なものばかり。


私は顔を真っ赤に染め、頭から湯気を上らせながら、彼を引き摺ってショップから出た。
極普通の国産メーカーの、機能的でシンプルな下着を選ぶ私に、純平さんはかなり不服そうだったけれど。


――『抱いてやろうって気になる』って。
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