エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
あんなクールな顔して、休日の彼は煩悩一色……。


「〜〜っ!」


のぼせそうになった時、エレベーターが停まった。
両側にドアが開き、そそくさとフロアに降り立つ。
営業開始したばかりの社内カフェテリアで、ホットコーヒーを購入して、窓際の丸テーブルに着く。


昨日のことを思い出しただけで、変な汗を掻いてしまい、手をヒラヒラさせて風を送った。
コーヒーを飲んでも、まだソワソワと落ち着かず、両手で頬杖をつく。


純平さんと偽装結婚生活を始めて、四日目。
今、私が彼について知っているのは、最初にもらった名刺と、袴田さんからの情報のみ。
未だに彼に詳しくはないけど、自分の身をもってはっきりと判断できたこと。
純平さんは、家と外……いや、昼と夜の高低差が激しすぎる!


普段は、自分が無駄と判断すれば、必要な説明すらしない無口でクールな鬼なのに、夜はむしろ饒舌で、理詰めで攻め込んでくる。
昨日も一昨日の夜も、私は彼にキスされそうになったり、身体に触られたり。
獣のスイッチが入るとかなり距離近めで……はっきり言って、オープンにエッチな人だと思う。


ただの偽装結婚なのに、彼曰く『愛でてやってる』そうだから、保護されて妻を装っている立場上、強く拒むこともできない。
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