エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「長兄の梗平坊ちゃんが、『家族に報告もせずに、嫁さんもらったのか』って勘繰ってらっしゃって。菅野さん、近々、純平坊っちゃんとふたりで、瀬名本家に召喚されるかもしれませんねえ」
なんと、お兄さんは私を、本物の〝嫁〟と思っていらっしゃる!
――本当に、純平さんと、お呼ばれしたらどうしよう。
ついつい好奇心から、「ご家族って、どんな感じですか?」と聞いてしまったが最後、袴田さんは延々と、『瀬名本家の敷居を跨ぐ際の心得』を語り出した。
さすが、警察界の名門一族……というか、純平さんのご家族。
一筋縄ではいかなそう……。
戦々恐々としているうちに、車は純平さんのタワーマンションの近くまで来てしまった。
「あ。すみません! 袴田さん、スーパー、スーパーに寄ってください!」
夕食の買い出しに行きたかったことを思い出し、私は慌てて言葉を挟んだ。
なんとか無事、食材を購入して、マンションに帰ってきた。
広いキッチン台に、大きく膨らんだエコバッグを乗せ、ふう、と息をつく。
コートのポケットからスマホを取り出し、LINEアプリを起動させた。
なんと、お兄さんは私を、本物の〝嫁〟と思っていらっしゃる!
――本当に、純平さんと、お呼ばれしたらどうしよう。
ついつい好奇心から、「ご家族って、どんな感じですか?」と聞いてしまったが最後、袴田さんは延々と、『瀬名本家の敷居を跨ぐ際の心得』を語り出した。
さすが、警察界の名門一族……というか、純平さんのご家族。
一筋縄ではいかなそう……。
戦々恐々としているうちに、車は純平さんのタワーマンションの近くまで来てしまった。
「あ。すみません! 袴田さん、スーパー、スーパーに寄ってください!」
夕食の買い出しに行きたかったことを思い出し、私は慌てて言葉を挟んだ。
なんとか無事、食材を購入して、マンションに帰ってきた。
広いキッチン台に、大きく膨らんだエコバッグを乗せ、ふう、と息をつく。
コートのポケットからスマホを取り出し、LINEアプリを起動させた。