エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
その日、純平さんは日付が変わる前に帰ってきた。
桃子から名刺を預かっている私は、彼がシャワーを終えて出てくるのをリビングで待っていた。
でも、声をかけるのを躊躇しているうちに、純平さんは私をチラリとも見ずに書斎に入ってしまい、そのまま出てこない。
仕事をしてるなら、声をかけない方がいいかもしれない。
名刺を渡すのは、また今度にすべきか迷った。
でも、ただでさえ気が進まないミッションだし、延ばし延ばしにしたら渡せなくなりそう。
私は、手にした名刺に目を落とした。
――邪魔だったら、純平さんははっきり『邪魔だ』と言ってくれる。
意を決して、書斎の前に立った。
「あの……純平さん」
遠慮がちに呼びかけながら、ドアをノックする。
「なんだ?」
『入るな』ではなかったから、思い切ってドアを開けた。
「お仕事で疲れてるのに、すみません。少しだけ、お話があって」
ドア口で立ち尽くし、無駄に肩に力を入れて切り出す。
「話?」
聞き返してくれたことに後押しされて、彼のそばに歩いていった。
「……?」
純平さんはチェアに深く背を預け、すぐ隣で足を止めた私を、訝し気に見上げてくる。
桃子から名刺を預かっている私は、彼がシャワーを終えて出てくるのをリビングで待っていた。
でも、声をかけるのを躊躇しているうちに、純平さんは私をチラリとも見ずに書斎に入ってしまい、そのまま出てこない。
仕事をしてるなら、声をかけない方がいいかもしれない。
名刺を渡すのは、また今度にすべきか迷った。
でも、ただでさえ気が進まないミッションだし、延ばし延ばしにしたら渡せなくなりそう。
私は、手にした名刺に目を落とした。
――邪魔だったら、純平さんははっきり『邪魔だ』と言ってくれる。
意を決して、書斎の前に立った。
「あの……純平さん」
遠慮がちに呼びかけながら、ドアをノックする。
「なんだ?」
『入るな』ではなかったから、思い切ってドアを開けた。
「お仕事で疲れてるのに、すみません。少しだけ、お話があって」
ドア口で立ち尽くし、無駄に肩に力を入れて切り出す。
「話?」
聞き返してくれたことに後押しされて、彼のそばに歩いていった。
「……?」
純平さんはチェアに深く背を預け、すぐ隣で足を止めた私を、訝し気に見上げてくる。