身代わり花嫁は若き帝王の愛を孕む~政略夫婦の淫らにとろける懐妊譚~
隣の子ども部屋に眠る結梅を想い、ふたり顔を見合わせて笑う。

結梅をかわいいかわいいと溺愛しているふたりだが、日常は大変なことも多く、椿は仕事と育児の両立に奔走しているし、仁は仕事の忙しさからなかなか子育てに参加できないと葛藤している。

だが、そんな悩みは天使の寝顔を見れば吹き飛んでしまうというもの。

そして、暴れん坊の天使が眠った今、ここから先は夫婦の時間。仁は椿が寝転がるソファに移動してくる。

「なにか飲むか? 甘いものでも」

「ううん、それより――」

椿はむくりと体を起こし、おもむろに仁の胸に頭を預けた。

結婚式の準備と仕事と育児でずっと忙しくしていたから、ようやく気が抜けて、甘えたい気分だ。

「ちょっとこうしてたい」

とろんと瞼を下げると、仁の腕が抱き込むように椿のお腹に回った。

「珍しいな。椿から甘えてくるなんて」

「……こういうの変かしら? 私らしくない?」

普段、結梅の前では頼もしいお母さんを演じている。だからこうして、仁とふたりきりになったときくらいはただの恋する女性に戻りたい。

仁が椿の顎を持ち上げて、唇にそっとキスを落とす。

「嬉しいよ。椿が甘えてくれるのは」

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