身代わり花嫁は若き帝王の愛を孕む~政略夫婦の淫らにとろける懐妊譚~
明け方、自分の隣で安らかに寝息を立てる椿を見守りながら、仁は激しく後悔する。
もっと別のやり方があったはずだ。椿を抱いて己が物にせずとも、父親から解放する術が。
もっと冷静であったなら、いくらでも考えられたはずだろうに。
――自分を見失っていた……。
震えながら服を脱ぎ捨てる彼女があまりにも憐れで痛々しくて、こうなるよう仕向けた父親があまりにも腹立たしくて。
そして、純真無垢な彼女を自分のものにしたいという、あざとい欲求も多少なりともあったはずだ。
――俺は、彼女が嫌と言えないのをいいことに……。
まるで自分が醜い獣にでもなったようで、彼女の前では『責任を取る』などと言って尊大に振る舞っておきながら、激しい自己嫌悪に苛まれていた。
そんな中、かねて病を患っていた祖父の病状が悪化し、もとより寝たきりに近い状態だったが、まともに会話も交わせなくなった。
ある日、父親から祖父の容体を知らせる連絡がきた。
『どんなに病状が回復したとしても、もうまともな判断は下せないだろう。近々、代替わりを公表する予定だ』
もっと別のやり方があったはずだ。椿を抱いて己が物にせずとも、父親から解放する術が。
もっと冷静であったなら、いくらでも考えられたはずだろうに。
――自分を見失っていた……。
震えながら服を脱ぎ捨てる彼女があまりにも憐れで痛々しくて、こうなるよう仕向けた父親があまりにも腹立たしくて。
そして、純真無垢な彼女を自分のものにしたいという、あざとい欲求も多少なりともあったはずだ。
――俺は、彼女が嫌と言えないのをいいことに……。
まるで自分が醜い獣にでもなったようで、彼女の前では『責任を取る』などと言って尊大に振る舞っておきながら、激しい自己嫌悪に苛まれていた。
そんな中、かねて病を患っていた祖父の病状が悪化し、もとより寝たきりに近い状態だったが、まともに会話も交わせなくなった。
ある日、父親から祖父の容体を知らせる連絡がきた。
『どんなに病状が回復したとしても、もうまともな判断は下せないだろう。近々、代替わりを公表する予定だ』