シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
ベッドに座るわたしに対して、床に座った颯介さん。
彼はわたしを見上げながら気さくに話し出した。
「今日さ、俺とギンは急遽《黒銀》の総会してきたんだ。なんでだと思う?」
「え? さあ……?」
突然そんなことを言われても分かるわけがない。
大体、暴走族の総会なんて何をするのかも分からないし。
「ユキちゃんのこと、守るための話し合いしてきたんだよ」
「え……?」
思いもかけない言葉に一瞬思考が止まる。
わたし?
守る?
どういうことなのか。
動き出した頭でもまだよく分からなかった。
「ギンは他の族から恨み買ってるって話、央汰たちから聞いたんだろ? あそこの幹部連中はマジでろくでもないやつばかりだからさ、ユキちゃんの存在知ったら絶対に手ぇ出してくるだろうし」
夕方に伊刈くんたちから聞いた話が、そんな形でわたしに関わりのある話になるなんて思わなかった。
「で、でも、わたしギンの女ってわけじゃないし……」
「あいつらにはそんなこと関係ないよ」
穏やかだった顔に嫌悪を滲ませて颯介さんは吐き捨てるように言う。
「多分、ギンに近しい女ってだけであいつらはそう見なすだろうし。……それに、まだギンのものになっていないとしてもユキちゃんはあいつの大事な存在だからね」
「っ」
真剣な眼差しで見上げられて、言葉が出てこない。
彼はわたしを見上げながら気さくに話し出した。
「今日さ、俺とギンは急遽《黒銀》の総会してきたんだ。なんでだと思う?」
「え? さあ……?」
突然そんなことを言われても分かるわけがない。
大体、暴走族の総会なんて何をするのかも分からないし。
「ユキちゃんのこと、守るための話し合いしてきたんだよ」
「え……?」
思いもかけない言葉に一瞬思考が止まる。
わたし?
守る?
どういうことなのか。
動き出した頭でもまだよく分からなかった。
「ギンは他の族から恨み買ってるって話、央汰たちから聞いたんだろ? あそこの幹部連中はマジでろくでもないやつばかりだからさ、ユキちゃんの存在知ったら絶対に手ぇ出してくるだろうし」
夕方に伊刈くんたちから聞いた話が、そんな形でわたしに関わりのある話になるなんて思わなかった。
「で、でも、わたしギンの女ってわけじゃないし……」
「あいつらにはそんなこと関係ないよ」
穏やかだった顔に嫌悪を滲ませて颯介さんは吐き捨てるように言う。
「多分、ギンに近しい女ってだけであいつらはそう見なすだろうし。……それに、まだギンのものになっていないとしてもユキちゃんはあいつの大事な存在だからね」
「っ」
真剣な眼差しで見上げられて、言葉が出てこない。