シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
「白雪がいないときちゃんと休んでる」
「ちょっと今は話しかけないで」
「今大事なとこ」

「……ごめん」

 今は話しかけちゃダメだったらしい。

 確かに集中してるときに邪魔されたら嫌だよね。

 気をつけよう。


 でも昨日から思っていたけど、三つ子はこのPCで一体何をしてるんだろう?

 三つ子には今聞けそうになかったから、わたしは疲れてソファーに座り込んでいる3人に聞く。


「三つ子はいつも何をやってるの?」

「ん? あー……何かギンさんに頼まれてとあるソフトを作ってるらしいぞ?」

 わたしの質問にはじめに答えてくれたのは伊刈くんだ。

 それに岸本くんが続いた。

「そのソフトを作るためにギンさん、三つ子を他のチームから奪って来たらしいからなぁ」

「奪った!?」

 どういうこと!? と驚いていると、今度は眞白も話し出す。


「まあ、もともと兄さんはそのソフトを作るための人材を集めてただけなんだよね」

「らしいな。もともと暴走族とか名乗るつもりなかったらしいぞ?」

「そうそう。三つ子とか俺らみたいな人材が必要で、丁度いいのが他の族やチームにいたから引き抜きしてただけって言ってたっけ」

 眞白の言葉に続いた伊刈くんと岸本くんの言葉に唖然とする。
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