ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!
翌日

今日はいよいよ副社長がお見えになる日だ。私はいつも通り出勤し、いつも通り仕事をこなしていた。元々、契約社員の私は、正社員の人達の早番、遅番、夜勤の入れ替わりの際の早番と遅番の人達の引き継ぎがスムーズに行くようにするための繋ぎのような存在なので、ほとんどがフロントでの接客になる。チェックインやチェックアウト、お部屋までのご案内や、その他にもご宿泊のお客様の電話対応などもある。手が空けば、部屋割りのチェックや、備品補充などもする。とにかく、ミスが起こらないよう、二重三重のチェック体制をしいており、確認作業も多い。

副社長がいつ来るのかと待ち構える社員達のピリピリとした雰囲気の中、エントランスの扉が開き、森本様がやって来た。

良かった!副社長が来る前で。

私はとてもホッとした。ただでさえいつもよりピリピリしている雰囲気の中、森本様の対応だけは絶対に自分でしたかったからだ。

「副社長が来る前で良かったね。」

と、奏ちゃんが、小さな声でコソッと囁いた。私も小声で、

「ええ。」

と言った。

森本様は真っ直ぐに、カウンター越しに私の前に立った。

「森本様、いらっしゃいませ。」

と、挨拶をしてから、いつも通り宿泊者シートに記入してもらった。

カードキーを用意して、奏ちゃんに、

「行ってきます。」

と言ってからカウンターを出て、いつも通り森本様をお部屋にご案内する。
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