ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!
「分かりました。」
と、田辺に言うと、受話器をしっかりと握り、話口に向かって、
「森高様にはカフェでお待ちいただくようにお伝え願えますか?その際、他の方に見られない奥の席にご案内してください。はい…ええ…それでよろしくお願いします。」
と、言って電話を切った。すると、高遠副社長と田辺がびっくりした顔で美夕を見ていた。田辺が、
「春名さん!勝手なことをしないでください!」
と、少し怒り気味に言うと、美夕はそれを上回る剣幕で、
「なぜ分からないんですか?!もう会う気がないのなら、ご自分の言葉でちゃんと相手に伝えてください!!何も言わずに逃げ回ってるから、相手も諦められないんです!大の男が2人もいて、一体何やってるんですか?」
と、言った。
高遠副社長と田辺の2人とも、美夕の剣幕に驚いた表情で呆気に取られていた。2人の表情を見て美夕は我に返った。
「も、申し訳ありませんっ!」
と、即座に深く頭を下げ謝った。
田辺は、溜め息をつきながら、
「春名さん、あなたが森高様にきちんとお断りしてきてください。」
と言ったが、
高遠副社長は、手で、田辺を制止した。
「春名さんの言う通りだ。逃げ回っているだけじゃ解決策にならない。会議まであと何分ある?」
と、高遠副社長が田辺に確認した。
「ええと、ここから10分ほどで、本社に着きますので、あと20分あります。」
「分かった。」
と、言うと高遠副社長は椅子から立ち上がり、さっと上着を羽織るとスタスタとドアの方に向かった。そして、
「田辺は先に車で待っていてくれ。春名さんは、一緒に来て。」
と言った。美夕は、慌てて、
「え?!あっはい!」
と、言って、高遠副社長の後に付いていった。