ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!
「お待たせしました。森高さん。」
と、高遠副社長が森高様に声をかけた。
「やっとお会いできましたわ!」
と、椅子から勢いよく立ち上がり森高様が目を輝かせた。そして、チラッと美夕の方に視線を移したが、美夕を気に留めることなく、高遠副社長に熱い思いをぶつけ始めた。
「何度連絡しても、なかなか会ってくださらないんですもの。それで私…。」
と、話し出す森高さんを高遠副社長が制止した。
「森高さん、ひとまず座りませんか?」
「あっ、そうでしたわ!私嬉しくてつい。どうぞおかけになって。」
と、言われ、高遠副社長が座ると、美夕も、
「失礼します。」
と、言って隣に座った。美夕は、なぜ私までこの場にいなくちゃいけないの?!…と思ったが、恐らく、逆上して、痴漢扱いなど濡れ衣を着せられないようにか、時間が来たら中断させる役割を与えられているのだろうと考えた。
「森高さん、お気持ちは大変嬉しいのですが、私は今は仕事に集中したいんです。ですから、あなたとお付き合いするつもりはありません。」
はぁ~。そんなんで、はいそうですかって諦めてくれるわけないじゃない。
と美夕は思った。
案の定、森高様は、高遠副社長にそう言われても、
「お仕事の邪魔は決して致しませんわ!仕事に集中してくださって結構です。ですから…」
ほらほら、思った通り。もっとはっきり言わないと。
と、美夕は思った。すると、高遠副社長は、
「回りくどい言い方をして、すみませんでした。はっきり申し上げると、既に結婚を前提にお付き合いしている人がいまして。森高さんの気持ちにはお応え出来ません。申し訳ありません。」
と言って、深々と頭を下げた。
「そんな話、初めて聞きましたわ。本当ですの?」
「はい。」
「断る為の嘘ではなくて?」
「本当です。」
「その方は一体どこのどなたですの?」
「今、あなたの前に座っている女性です。」