ホテル王に狙われてます!ハニートラップから守るはずが、罠にかかったのは私でした?!

看護師の中山さんは、優しい口調で、

「今から、いくつか質問しますが、答えたくなければ答えなくても構いません。ここでの会話は基本的に
残しません。最近は望まない妊娠をされる方が非常に多いので、あなたとお腹の子がどうすれば幸せになれるかを
一緒に考えましょう。」

と言った。

「はい。」

と、美夕も静かに返事をした。

「今回の妊娠は、あなたが望んでいたことですか?」

「いずれそうなれればと思っていましたが、まさか今妊娠するとは・・・。」

「そうですか。では、望まない妊娠ではないと?」

「はい。好きな人の赤ちゃんがお腹にいると思うと嬉しいんですが、
彼に迷惑をかけてしまうのが怖いんです。」

「失礼ですが、お相手は既婚者ですか?」

「いえ、違います。」

「そうですか。では、どうしてお相手に迷惑がかかると?」

「すいません。これ以上は・・・。」

「分かりました。では、質問を変えます。先ほど嬉しいとおっしゃっていましたが、
春名さんのお気持ちは産みたいと?」

「はい。出来れば、彼には知られずに。」

「そうですか。分かりました。では、シングルマザー向けの補助制度などもありますので、
まとめたプリントをご用意しますね。当院で出産をお考えですか?」

「違う病院になると思います。」

「では、先生に紹介状の用意もしてもらいましょう。もし、少しでも不安に思うことがあれば、
一人で抱えこまないで、いつでも相談してください。お金のことでも、子育てのことでも何でも
聞いてくださいね。だから、産むこと、育てることを決してあきらめたり、途中で投げ出したり
しないでください。」

「ありがとうございます。」

「では、ご用意しますので、受付でお待ちください。」

と言って、看護師の中山さんは席を立った。

美夕は中山さんと話したことで、一人で産み、育てる勇気が湧いた。
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