あなたと出会って世界が変わる
僕とひなの飲み物を買いに近くの自販機に行って帰ると、そこにはひなの姿がない


どこに行ったんだろう?


トイレかな?


心配でメールを送ると、ひなが座っていた場所から音がなる


「スマホ置いて行った?」

何かあったんじゃないかと不安になる


「奏どうした?」

顔を上げると、琉生とその後ろに朝陽と頼が立っていた


「ひなが帰ってこない」

笑顔だった3人の顔が強ばる


4人で手分けして探すけど、ひなはどこにもいない


「くそっ」

また、僕はひなを助けられない


教室までの階段を上がっていると、女子の声が聞こえてくる


「琉生様達にバレてないよね?」


「大丈夫でしょ!あそこはバレないって」


「チクられたらどうすんの?」

嫌な予感があたった


「ねぇ、その話聞かせてよ」

僕が近づくと、青ざめる子達


「いや、何もないですよ」


「僕が怒る前に、早く言ってくれない?」


崩れ落ちるように座り込み、ひなを体育館倉庫に閉じ込めたと話す


1人の子の胸ぐらを掴み睨む


「手は出してないよね?」

一瞬目が泳ぎ、首を振るその子


ひなの顔が頭に浮かび、気持ちを沈め、掴んでいた手を離す


「無事じゃなかったら、タダですむと思わないで」

それだけ言い残して、ひなの所へと走る
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