体育祭(こいまつり)

 二日目、この日は、男子の騎馬戦から始まった。

 ドン、ドンという太鼓の音がよく晴れた空にこだまする。

 朝日を浴びた騎馬たちがゆっくりと所定の場所に移動していく。
 健二は馬の先頭だった。身長百七十七センチ、体格もそれなりにがっしりしているからだろう。まっすぐ相手の騎馬を見つめていた。私を見つめる目とはまた違った目で。

 ドドドドドドド!

 太鼓の音と同時に相手に向かって歩みを進める。
 上に乗っている男子同士が懸命に鉢巻を取り合いする中、健二は苦しい顔をして、耐えていた。

 男子の競技は苦しそうなのが多くて、可哀相だ。でも、そんな彼らの姿はこんなにも心を打つ。知らず知らず両拳をにぎり、応援している自分がいた。

「さて、次は私たちだね」
「うん……」

 男子の競技と比べると、地味かもしれない創作ダンスは、練習は結構大変なものだった。
 時間はたった四分。でも中身は濃い。

 三年生の選曲、振り付けを夏休みの間、ずっと練習した。健二が抽象的といったように、確かに見ていても分からない細かい動きなどが実は重要な意味をもっていたりする。時に一人ひとりで。ときにグループで。そして、全体で。

 四分の間に三年生の作った思いが表現される。動きをや配置を覚えるのは結構大変だし、踊り終わった後は疲れがどっと出る。でも、その達成感はすがすがしく、自然と顔に笑みが広がった。

 退場してから一時は女子同士で、声を掛け合った。よかったね! とか、やったー! とか。とにかく興奮していた。
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